小児科情報

Q & A コーナー

感染症について

Q1. 帯状疱疹と水ぼうそうの関係についてお聞きします。水ぼうそうにかかった人だけが帯状疱疹になるのですか?水ぼうそうの予防接種の場合はどうなるのですか?

帯状疱疹と水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスという同じウイルスが原因でおこります。このウイルスに初めてかかっておこるのが水ぼうそうです。そしてこのウイルスは水ぼうそうが治った後も身体の中に潜んでいるという特徴をもっているので、免疫力が低下したときなどに起こってくるのが帯状疱疹です。ですから原則的には帯状疱疹は水ぼうそうにかかったことがあるヒトしかなりません。ただまれに母親のお腹にいるときに(妊娠中期)その母親が水ぼうそうになった場合には、その子どもは生まれてから水ぼうそうにならないでいきなり帯状疱疹になる場合はあります。

次に水ぼうそうワクチン接種後に帯状疱疹になるかという質問についてお答えします。これは少ないと考えられています。米国などではワクチンに含まれるウイルス量が多いことから、帯状疱疹などがワクチン接種後に起こったとの報告があります。しかし急性白血病にかかった小児がどの程度の割合で帯状疱疹になるかを検討した報告によると、水ぼうそうに自然感染した後の帯状疱疹の発生率は約16%であるのに対して、ワクチン接種後では約4%と低率でした。つまりワクチン接種の方が帯状疱疹になりにくいと言えるでしょう。

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Q2. 発熱時すぐに解熱(げねつ)させず、ある程度熱が出てから解熱用座薬を使用する方がよいということを聞いたことがあります。またインフルエンザなどでは解熱剤は初期に使わない方が良い、とかある種類の解熱剤は止めた方が良いという話も聞いたことがありますが、どうでしょうか?

解熱剤(げねつざい)は、発熱時に体温が上昇しきって暑がるような時に使用すると有効でしょう。体温が上昇している最中は手足が冷たくなり、寒がることがありますので厚着をさせたり布団を多めに掛けてあげてください。ここで注意して頂きたいのは、熱にはウイルスの増殖を抑えたり、体の防御機能を高める働きがあるということです。解熱剤で体温が下がることによってウイルスがかえって元気を取り戻し、病気が長引くことがあるからです。ですから、解熱剤は一般的には38.5℃以上で、元気や食欲がなく辛そうにしているときに使うことになっています。38.5℃以上でも、元気にしている時は使わないで様子をみてください。また、インフルエンザや水痘等ではある種の解熱剤(アスピリン(サリチル酸)、ジクロフェナックなど)を使用すると「ライ症候群」や「脳症」といった重篤な合併症を発症する率が高くなることが報告されています。また安全な薬と考えられているもの(たとえばアセトアミノフェンなど)でも誤って大量投与すると中毒症状が現れます。このように解熱剤で注意しなければならないのは使用時期というよりは、種類や量でしょう。解熱剤で病気が治るわけではないことをしっかり覚え、解熱剤を使うとしても安全な薬を適切な量で、6時間以上間隔をあけて使ってください。

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Q3. 水ぼうそう(水痘)に対する新しい薬について、投与した場合軽くすむという利点とそのため免疫にならないという点があると聞いたことがあります。本当でしょうか。詳しく教えてください。

新しい薬とはアシクロビル(商品名ゾビラックスなど)のことを指しているのでしょう。健康な小児でも発症早期(発疹が出て2日以内)に投与すれば症状を軽症化させることができます。またこの場合には免疫ができないということはありません。ただし通常の薬よりも高価ですので病院や薬局の会計窓口で驚かれるひともいるかもしれません。また小児科医のなかには自然に治るものを敢えて高価な薬で軽症化させる必要があるのかという疑問を持っているひともいます。一方で免疫力が高度に落ちている人たちに水痘が伝染するととても危険なことになることも、われわれの決断を難しくしています。

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Q4. 冬の小学校がとても暖かいような感じがしました。冬の暖房についてどのように考えればよろしいでしょうか。暖かいせいでインフルエンザの流行が昔よりひどいように思います。

学校にはいろいろな子どもが通っています。風邪を引きやすい子、引きにくい子、元気な子、風邪を引いている子、外遊びが好きな子、静かな遊びが好きな子。日頃から熱を発散させている子、ちょっとひんやり気味の子。そんなひとりひとりの子どもの顔を思い浮かべると答えを正しく導き出すことがとても難しいのを感じます。

一般論で言いますとからだの調子が良いときは敢えて辛い環境に身を置いて、からだの抵抗力を鍛えるのが大切でしょう。そのような意味で冬の暖房は少し控え目にしてからだが作り出す熱で自分自身を暖める方が長い目でみると健康に結びつくと思います。このような鍛錬が足りない結果としてインフルエンザを始めとした感染に弱くなっているという推測も成り立ちます。

しかしながらもう少し時代をさかのぼって考えてみましょう。今から100年前の乳児死亡率(1歳前に亡くなる子どもの割合)は出生1000人あたり150人にも及びました。またこの大部分が感染症であることが知られています。その乳児死亡率は徐々に減少していき、現在では出生1000人に対して2あるいは3人というレベルとなり、しかも感染症で亡くなる乳児がかなり減っています。つまり現代の、過保護といえるような環境は感染症による死亡を確実に減少させているのです。この環境は暖房のみというわけではありませんが、気になる暖房にもこのような一面があることも知っておかねばなりません。これらを踏まえてどうするかを決めていかなければならないと思います。

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