小児科情報
Q & A コーナー
予防接種について
| Q1. | 予防接種で得られた免疫力はどの程度持続するのでしょうか? また予防接種はいつ受けるべきでしょうか? |
| ワクチンに対する反応がいい人と悪い人がいるため一概には言えませんが、一般的には免疫力(抵抗力)が落ちてくるのが普通です。麻疹ウイルスを例に挙げると、まだワクチンが浸透しておらず自然に感染する人も多かった時代はワクチン後にはしかの患者さんに接触することで免疫力(抵抗力)がさらに上昇し、ワクチンを1回打てば一生免疫力が持続しました。しかしワクチンが浸透し、はしか自体がなくなると、このような免疫力の上昇が起こらず、免疫力は減る一方になってしまうのです。今後、今まで1回しか打たなかったワクチンを2回打つように変わっていくかもしれません。これからもより効果的なワクチンの打ち方を論議していかなければならないでしょう。 次にワクチンをいつ受けるべきかということについてですが、ワクチンを受ける時期はどの時期にその病気にかかりやすいか、どの時期にかかると重症になるか、ということを考えて決めていかなければなりません。外遊びが多くなる前に破傷風のワクチンは受けるべきですし、乳児期に百日咳にかかると命に関わるほど重症になるのでなるべく早期にワクチンを開始すべきです。また母親から受け継いだ免疫力の残っている時期(1歳未満)には1回しか打たないはしかや風疹の予防接種は効果がない場合が出てくるので、1歳以降に接種します。予防接種のスケジュールに関しては、かかりつけの小児科医と相談し、効率よく、どんどん接種を受けていってください。 |
|
| メールで質問する |
|
| Q2. | 自然感染による免疫とワクチンによる免疫には違いがあるのでしょうか? |
| 自然感染とほぼ同等の免疫が出来るワクチンもありますが(はしかなど)、接種回数を増やしても免疫が得られない場合があるワクチン(B型肝炎など)もあり一概には言えません。現在日常的に行われているはしかや風疹、三種混合ワクチンなどの効果は、その病気が大きく減少していることから明らかです。 |
|
| メールで質問する |
|
| Q3. | 小学校や中学校では来年度からBCG接種がなくなるということですが、本当にそれでよいでしょうか。感染率が低くなったためと新聞で読みましたがとても疑問に思います。 |
| 現在でも結核は重大かつ深刻な感染症です。したがって決してないがしろにされてよいものではありません。しかしツベルクリン反応にしてもBCG接種にしても集団で行うことに意味があれば中止はしません。現在の方法で見つかる患者さんがとても少ないこと、むしろ新規に発症した患者さんを丹念にたどっていった方が効率良く、無症状の患者さんを発見できること、現在の方法では結核ではないのに結核であるかのような検査結果を出すひとの方が多いことが中止の理由としてあげられると思います。つまり中止する方がメリット大きいと判断されたわけです。しかし結核が撲滅されたわけではありませんから、今まで以上に日頃の子供達を観察している養護教諭の先生方の異常を見抜く目が大切になっているとも言えるでしょう。 |
|
| メールで質問する |
|
| Q4. | 子ども達に予防接種を行うことで高齢者の死亡率が低くなることを知りました。それでは予防接種は直接的に高齢者に対して効果はないのでしょうか。また高齢者を助けている子ども達の自己防衛力や免疫力を高めるには予防接種しかないのでしょうか。個人差があるとは思いますが、最も効果的な方法は何でしょうか? |
| 高齢者に対しても予防接種は有効です。特にインフルエンザのように罹ってしまうと死亡することもあり得る感染症ではワクチンはとても重要です。お話にありましたように集団免疫という立場から感染自体を減らすということも大事ですが、命がかかわる感染症は個人の免疫を高める努力が欠かせません。 それではワクチン以外に個人の免疫力を高める努力として何が良いのでしょうか。これは漠然とした言い方しかできませんが、日頃の鍛錬としか言いようがありません。元気なときは外で遊ぶ、風邪を引くからと家のなかに閉じこもってばかりでは風邪に対する力が身に付きません。栄養も大事です。取りすぎはいけませんが、不足は感染症に罹りやすくなります。手洗いやうがいは健康を保つ秘訣のひとつでしょう。そのように書くと昔から私たちが教えられてきたこと、当然だと思ってきたことを実践することが自己防衛力や免疫力を高める一番の近道であると思います。 |
|
| メールで質問する |
|
| Q5. | 「広報」で昭和50年から52年生まれの人に対してポリオワクチンの追加接種を呼びかけていましたが、どうしてですか。またこの人たちは受けておいた方がいいものなのかを教えてください。 |
| 昭和49年から50年に、三種混合ワクチンによる事故がありワクチン全体(ポリオワクチンを含む)に不信感が広がって、接種率が低下しました。さらに厚生労働省の調査によって昭和50年から52年生まれの方のなかにポリオウイルスへの抗体価(免疫力)を保有していないひとがたくさんいることがわかりました。このような理由から現在、昭和50年から52年生まれの人にポリオワクチンの接種が勧められています。ポリオは未だに世界で流行していることに加え、外国との交流が増えていますので、免疫力がついていなければ今後ポリオに罹患する可能性があることを意味します。接種するかどうかは自分の判断になりますが、上記のような理由から接種が勧められているのです。 |
|
| メールで質問する |
|
| Q6. | 現在8ヶ月の子供がおりますが、ポリオの予防接種を不活化ワクチンが採用されてからにすべきかどうか迷っています。どうしたらよろしいでしょうか? |
| 不活化ポリオワクチンは現在厚生労働省で承認のための審査中でまもなく接種可能となります。現在日本を含め欧米などでもポリオが存在しませんのでそれを待ってから接種してもかまわないと思います。ただ生ワクチンはきわめてまれに(1981〜2002年の20年間における発生頻度は約450万人に1人)ポリオ様麻痺が認められることがある以外は安全ですし、飲んで免疫力をつけられる経口接種ワクチンです。不活化ワクチンはそうした副作用はありませんが注射で4回の接種が必要です。これらを考慮されて選択するのがよいかとも存じます。 |
|
| メールで質問する |
|