
| 卒後臨床研修義務化のシステムがスタートしました。ここでは今後小児科医を目指す医学生さんに対し、旭川医科大学小児科学講座ではどのような研修体制を整備しているのかを説明したいと思います。 |
| 1. 旭川医科大学小児科学講座の概要 |
1974年に旭川医科大学小児科を創始したのは吉岡一教授です。吉岡教授は、後に第二代教授となる奥野晃正助教授とともに北海道大学より赴任し、教育、診療、研究の柱を築きました。それから四半世紀余り過ぎた2000年に第三代目となる藤枝憲二教授が北海道大学から着任し、現在21世紀という大海原を全速前進中です。
旭川医科大学の小児科が目指すものは、“成長と発達”の科学です。3kgほどで生まれてきた命がめざましく成長発達する過程に加えて、その過程を妨げる様々な要因を生理的、生化学的、分子生物学的、社会心理学的な観点から追求することを教室のテーマとして取り組んでいます。
本教室には内分泌糖尿病、神経、感染症、循環器腎臓、血液腫瘍、新生児、遺伝の7つの診療・研究グループがあり、医員、大学院生と研究生を加えた総勢26名がそれらに属して、病院内外の診療、研究、教育において活躍しています。 |
| 2. 旭川医科大学で小児科医になるためには |
医師としての臨床研修のお話をする前に、旭川医科大学における学生教育カリキュラムについて概説したいと思います。それは後述するように今や学生の臨床講義および臨床実習と卒後臨床研修は不可分であり連続したシステムとなっているからです。日本の医学部の臨床実習は欧米のそれに比べ実践的でないという反省から旭川医科大学ではそのカリキュラムに大きな改革の手を加えました。私たちはこの学生教育こそ小児科学をできるだけ理解してもらうチャンスと考え、小児科医であることの素晴らしさや、できるだけ多くの医学生に小児科の患者を診ることのやりがいを知ってもらいたいと願いつつ指導にあたっております。
【学生講義】
第3学年における臓器別系統講義では講座毎に分断された講義内容を改め、講座を越えて臓器別に基礎医学から臨床医学まで連続した講義を行います。小児科にとっても基礎医学はもちろん内科や外科系の講義とその内容を有機的に統合することによって、より充実した教育ができるようになったと感じています。小児科はこの臓器別系統講義の中で、単なる“小さな大人”を診る内科ではなく、子どもの誕生から成長発達する過程を家族とともに見守り手助けする視点から、また臓器だけに目を奪われるのではなく全人的な医療を行うということを基本にしながら講義します。
第4学年で行われる臓器別系統講義の内容は、第3学年の講義の内容をさらに医学的に深く踏み込んだものになる他、臓器の枠にとらわれない小児科特有の内容もお話します。
【学生臨床実習】
第5学年から開始される臨床実習においては、小児科はコアのカリキュラムの一つとして4週間の実習を担当します。旭川医科大学医学部附属病院での実習ばかりでなく、旭川厚生病院や市立旭川病院の小児科での臨床実習や旭川市周辺の肢体不自由児のための療育センターや小児科クリニックの見学も交えて、様々な立場での小児医療の実地研修を行います。学生は「指導医→医員→臨床研修医→第6学年臨床実習学生→第5学年臨床実習学生」で構成される各診療グループのチームの一員として機能し、患者さんの同意の上で実際の手技も経験することができます。
第6学年で学生は選択科目の一つとして附属病院小児科の診療グループを4週間研修することができます。診療グループは内分泌糖尿病、神経、感染症、循環器腎臓、血液腫瘍、新生児、遺伝の7グループです。前述したように第6学年臨床実習学生はもはや学生というより研修医と同様に専門知識を貪欲に吸収し第5学年を指導する姿勢が求められます。
次に医師になってから将来私たちの小児科学講座に入る場合を想定してみましょう。
【卒後臨床研修】
旭川医科大学医学部附属病院の卒後臨床研修プログラムでは小児科学の臨床研修は卒後2年目に2か月間、そして選択科目として最大6か月間行われます。ここでも学生教育同様、小児科学をできるだけ理解してもらうために、私たちは誠心誠意指導したいと思っています。将来このプログラムを経験した誰しもが小児に対する初期治療が可能になるように、この間の到達目標が細かく設定されており、それに対するチェック体制が整備されています。
旭川医科大学のプログラムでは大学病院以外にも協力病院としていくつかの病院が研修先として登録されていますが、卒後臨床研修後に私たちの小児科で一緒に学びたい場合、いずれの病院を選択すると良いのか相談することが可能です。さらにプログラム責任者と打ち合わせて可能な限り本人の希望を叶える努力を致します。選択期間に小児科を何ヶ月間研修するか、他科のうちどの科を研修すべきかアドバイスいたします。また、将来小児科医を志すと決まっているならば、日本小児科学会はこの臨床研修期間も小児科学会専門医を得るための期間に含めているため、臨床研修が始まった段階で学会に入会することを勧めています(2年間の臨床研修期間+3年間の小児科研修で小児科専門医の資格が得られる)。
【卒後臨床研修後について】
いよいよ医師3年目の年から市立病院クラスの病院で小児科医としての本格的な実地診療を始めていただくことになります。これは原則的に臨床研修が終わってから私たちの講座に加わることを決めていただいた方も同様です。後者の方たちの中にはこの後の待遇について予め講座に加わることを表明していた方と差別されることをご心配されている方もいるようですが、そのようなことは決してありません。いつでも、他大学出身の方でも私たちの仲間になろうとしてくださる方は大歓迎です。私たちの関連病院に関する情報はホームページの別項を参照してください。この他にも多数の病院から小児科医の招聘要請が届いております。少子化の時代とは言え、小児医療の“量”は決して減っていません。さらに“質”の向上が問われている今、小児科医はまだまだ人手不足であり、北海道民は皆さんが小児科医になるのを切に望んでいるのです。
3年前後市立病院クラスの病院で研修した後に、大学病院に戻っていただき中期研修を受けていただきます。その頃には自分の小児科医としての目標が定まっている頃でしょう。その中期研修を利用してまんべんなく小児科一般の知識を深め再び地域の小児科医療を支える進路を目指すも良し、中期研修で興味ある分野を掘り下げ、大学で研究を続け博士号を取得したり国内や国外に留学するも良し、私たちは皆さんが自分の道を切り拓くのをサポート致します。 |
| 3. 旭川医科大学小児科学講座の雰囲気 |
新世紀を迎えて、当科は開講以来目標としている“成長と発達”の科学に分子生物学的な視点を加えた形でさらなる展開をはかっています。とくに臓器や機能にとらわれずにひとつの目標に向かって進んでいることから、診療・研究グループ間の議論と共同研究が活発であり、お互いに刺激し合って相乗的な効果が現れています。このグループ間の仲の良さが当科のきわだった特徴と言えるかも知れません。
レクリエーションとして、季節の節目に行うジンギスカン(焼肉)パーティーや年3回のゴルフ大会、おもむろに催される三・六(さんろく、旭川の中心飲食店街)での宴会がある他、北日本小児科学会や旭川医科大学の中で開催される野球大会では常に優勝争いに名を連ねて、チームワークの良さをアピールしています。 |
| 4. 旭川医科大学小児科学講座へのお問い合わせ |
皆さんが私たちの仲間になってくださることを心からお待ちしております。興味をお持ちの際は郵便、電話、ファックスあるいはe-mailで医局長に連絡してください。
〒078-8810 旭川市緑が丘東2条1丁目1-1
旭川医科大学小児科学講座 医局長
Tel : 0166-68-2481 Fax : 0166-68-2489
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