チャイルドパーク 広島赤十字・原爆病院 小児科

  成長障害、ホルモン異常を参照

成長ホルモン治療の対象となる疾患(平成14年1月現在)

  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • 低身長を伴うターナー症候群、軟骨無形成症(軟骨異栄養症)
    軟骨低形成症、慢性腎不全、プラダー・ウィリー症候群
低身長の全てが成長ホルモン治療可能と誤解しないように
成長ホルモン注射すれば誰でも身長が伸びると誤解しないこと

成長ホルモン分泌不全性低身長症

  • 原因の不明な特発性が最も多い。
  • まれには脳下垂体付近の脳腫瘍もある:今まで順調に伸びていたのが次第に伸びが悪くなる、頭痛、はきけなど
  • 成長ホルモン治療、脳腫瘍があればそれに対する治療も
  • 下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、抗利尿ホルモンの分泌不全を伴う場合もある
    →これらの分泌不全に対する治療も必要
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甲状腺機能低下症

  • 生まれつきの甲状腺機能低下症(クレチン症)は、新生児マス・スクリーニングにより早期発見・早期治療されている
  • 後になって甲状腺機能低下症になると、今まで順調に身長が伸びていたのが、次第に伸びが悪くなる
    便秘、寒がり、かさかさした皮膚、肥満
  • 甲状腺ホルモン治療
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ターナー症候群

  • 女児のみ、性染色体の異常
  • 低身長、身長の伸び不良、二次性徴がないかあっても不完全なことが多い
  • 心疾患、繰り返す中耳炎、肥満、側わん症(背骨が曲がっている)
  • 成長ホルモン治療、女性ホルモン治療
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体質性思春期遅発(おくて)

  • 低身長、身長の伸び不良
  • 大部分正常身長になる
  • 低年齢から低身長だったり、思春期が来たときににかなり低い場合には最終身長(成人身長)は低身長となることが多い
  • 思春期遅れる正常に来る
  • 骨年齢は遅れている
  • 女の子より圧倒的に男の子に多い
  • 慢性の病気などがない
  • 家族歴がある(親や兄弟・姉妹がおくてだった)場合が多い
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体質性思春期早発(わせ)

  • 年齢不相応に思春期が来る
  • 低身長で思春期が来ると最終身長(成人身長)は低身長になることが多い
  • 家族歴がある(親や兄弟・姉妹がわせだった)場合が多い
  • 病的な原因がない
  • 未熟児、子宮内発育遅延児にみられることあり
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思春期早発症(性早熟症)

図:思春期早発症
(男子/脳腫瘍)
図:先天性副腎皮質過形成症
(男子)

男性 :
9歳未満で精巣、陰茎から明らかに発育してきた
10歳未満で陰毛が生え始めた
11歳未満でわき毛・ひげが生え始め、声変わりがした
女性 :
7歳未満で乳房がふくらんできた
8歳未満で陰毛やわき毛が生え始めた
9歳未満で初潮きた
    -----------------------------------------------
  • 思春期が始まるのが異常に早い (図)
  • 身長急に伸びる(図)
  • 骨の発育が早い (骨年齢*促進)
     *骨年齢:通常、左手のレントゲン写真をとり判定する
  • 年齢不相応に身長が急激に伸びるが、骨年齢も急激に進み早く大人になり、その後は身長は伸びない
    結局は最終身長(成人身長)は期待していたより低身長になる場合が多い
    子どもの時には身長は高かったが大人になったら低い
      Tall  Child,   Short  Adult
● 真性 (中枢性) 思春期早発症:脳中枢系の異常
  • 真性(本当)の思春期が早く来る
    男子:精子形成可能、女子:排卵可能
    妊娠可能
  • 男子より女子に多い
  • 大部分が原因不明:特発性
  • 病的原因:脳腫瘍(過誤腫など)、脳炎後、髄膜炎後、頭部外傷後まれに甲状腺機能低下症にみられることあり
  • 特に1〜3歳までに乳房発達が進み、陰毛、月経がみられる場合
    脳腫瘍の一つである過誤腫:一般的に良性の腫瘍
    下記の仮性思春期早発症の自律性エストロゲン産生卵巣のう
    胞(のう腫)=自律性反復性卵巣のう腫
  • 積極的検査:ホルモン検査、頭部CT、MRI検査
          卵巣・腹部超音波検査など
  • 治療:脳腫瘍などの原因があればその治療
        性腺抑制療法(必要なら)
    最終身長(成人身長)が低身長とならないために
       一時期身長の伸びる率をゆるめる
    骨年齢の促進を抑制する
    リュ−プリン皮下注射(4週間に1回)
    スプレキュア点鼻(1日3〜6回)
     →
    女児の場合:投与前卵巣のう胞(のう腫)の有無を
    超音波検査しておく
    投与初期は卵巣を刺激するので、皮下注射2〜4回く
    らいまでは注射後数日間、軽い性器出血も見られるこ
    ともあるが、自然になくなる
● 仮性思春期早発症
  • 真性(本当)の思春期は来ない
      → 男子:精子形成不可能、女子:排卵不可能
      → 妊娠不可能
      まれに、真性思春期早発症に移行、合併することあり
  • 副腎、卵巣、精巣などから自律的に性ホルモンが分泌されて二次性徴がおきる
  • 同性的思春期早発症:男性が男性(女性が女性)の二次性徴が出現する
  • 異性的思春期早発症:男性が女性(女性が男性)の二次性徴が出現する
  • 男性(女性)で女性 (男性) ホルモンを異常に分泌する腫瘍や先
    天性副腎皮質過形成症などがある場合
    原因:
    自律性エストロゲン産生卵巣のう胞(のう腫)、卵巣腫
    瘍、精巣腫瘍
    副腎の病気(副腎腫瘍、先天性副腎皮質過形成症**
        *自律性エストロゲン産生卵巣のう胞(のう腫)=自律性
          反復性卵巣のう腫
    卵巣に超音波検査でわかるふくろのようなものがある
    そこから自律的に女性ホルモンが分泌される
    ある程度周期的に乳房がふくらんだり引っこんだりし
    性器出血もあることがある
    一般的には、自然に消失する
    真性思春期早発症を鑑別する

    **先天性副腎皮質過形成症
    先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)などと共に、生後
     1週間前後の赤ちゃんに行われている新生児マススクリーニ
     ング検査で早期発見・治療されている
    まれに、スクリーニングで発見されない例、タイプもある

早期乳房発育症

  • 女児のみで、比較的多くみられる
  • 左右両方でも左右差がある場合、一方のみの場合もある
  • 主に生後数ヶ月〜3歳ころに乳房だけがふくらみ、あまり進行せずに、圧倒的多数1〜3年で正常になるので心配は不要
    しかし、乳房がどんどんふくらんでくる、陰毛が生える、
     性器出血、どんどん身長が伸びる場合
      → 二次性徴が始まっている可能性もある
      → 過誤腫 (上記の真性思春期早発症を参照)
      → 乳房の病気なども考える
  • 原因:卵巣からの少量の女性ホルモンの分泌増加か?
      一部は、自律性エストロゲン産生卵巣のう胞(のう腫)
      (上記の仮性思春期早発症参照)

早発陰毛発育症

  • 男・女児共に
  • 陰毛のみはえる
  • 副腎から男性ホルモンが少し分泌されるのでおきる(推論)
  • ほとんどの場合治療する必要ない
  • 一部には、副腎の病気などもあるので、注意深く経過をみる

早発月経

  • 他の二次性徴がない思春期前の性器出血
  • 注意深く経過をみる、通常2〜3回で終わる
  • 長期間だらだら続くなら下記の膣内異物も考える

膣内異物による性器出血

  • 乳房発育が無いのに長期間だらだらと性器出血やおりものが続く
  • 乳房発育以後の膣内異物なら乳房発育がある
  • 膣内異物(鉛筆のキャップ、ちり紙などをいたずらで入れた場合)
  • 膣・子宮の病気を否定する
  • 子宮内視鏡で検査する

男児の思春期乳房発育(思春期女性化乳房)

  • 思春期時期男児のみで、比較的多くみられる
  • 左右両方でも左右差がある場合、一方のみの場合もある
  • 圧倒的多数は自然消失:3〜4週間から1,2年間で消失
  • まれに大きい場合は形成外科的手術も

● 詳しくは
 
『こどもの成長と気になる病気』 西美和著 ブレーン出版
  を参照  → 本の紹介


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