チャイルドパーク 広島赤十字・原爆病院 小児科


急性糸球体腎炎

急性腎炎の大部分が溶連菌感染後急性糸球体腎炎
 溶連菌による急性咽頭炎(のどの炎症)
  あるいは皮膚化膿症罹患後10〜20日後にまれに発症
慢性腎炎の急性悪化による場合もある
IgA腎症(IgA腎症の項参照)の場合もある

● 症状
 血尿(時に肉眼的)、蛋白尿、浮腫(むくみ)乏尿(尿量が少ない)
 全身倦怠感、高血圧、乏尿期 → 利尿期

● 症状・検査経過
 血尿は、徐々に消える
  6ヵ月後には約1/3に微少血尿(顕微鏡で調べて)のみ
  1年以上持続するのはまれ
 蛋白尿は多くの場合一過性(一時期のみ)で、
  2〜3ヶ月で消失
 むくみ、高血圧、尿量減少などは、1〜3週間消失
 血液の補体価低いが次第に正常化(3ヶ月以内で)

● 治療
 急性期入院して安静、症状に応じて食事療法
 退院後:半年〜1年間は運動制限

● 予後
 一般的には良好
 まれに、急性進行性糸球体腎炎もあるの注意
  急速に腎機能低下→ 腎不全になることもある


紫斑病性腎炎

アレルギー性紫斑病(免疫疾患、アレルギー性疾患の項参照)
の合併症
腎炎の合併はアレルギー性紫斑病発症後
 1ヵ月以内が多く、大半が3ヵ月以内
● 症状
 アレルギー性紫斑病の症状
 血尿(必ずある)、蛋白尿はないことが多い
 ネフローゼ症候群(蛋白尿、浮腫など)
 まれに、急性腎炎様症状(高血圧、腎機能低下など)
  →ネフローゼ症候群、急性腎炎様症状や高度蛋白尿が
   持続する例では腎生検(腎臓に針を刺して腎臓の
   ごく一部を取って顕微鏡などで調べる検査)が望ましい
● 予後
 血尿だけの場合は予後良好
 中には、腎不全になる場合もある


IgA腎症

小児でも成人でも慢性糸球体腎炎の中で最も多い
多くが学校検尿職場検尿で症状がない
 無症候性血尿(+蛋白尿)として偶然発見
発熱などのときの検尿で偶然発見
一部は、発熱時の肉眼的血尿で発見
● 症状:以下の3群に分類
 (1) 無症候性血尿・蛋白尿学校検尿偶然発見
     日本のIgA腎症の約60%を占める
 (2) 反復性肉眼的血尿
 (3) 急性腎炎症候群・ネフローゼ症候群
    血尿,蛋白尿、高血圧、腎機能低下

● 診断
 腎生検
  血尿+蛋白尿が持続する場合には腎生検を行う
  超音波でみながら腎臓の一部を針でとって、
   腎組織を蛍光抗体法顕微鏡で調べる

● 治療
 ステロイド剤、免疫抑制剤、抗凝固剤、漢方薬など

● 予後
 ゆっくりと進行し腎不全になる場合もある。


ネフローゼ症候群

高度蛋白尿があり、そのために体の中の蛋白が減少して
 むくみ(浮腫)が生じる
幼児期から学童期
小児では、腎組織の変化がない(微少変化)タイプが多い

● 症状
 高度な蛋白尿浮腫低蛋白血症(血液の検査で蛋白が低い)、
 高脂血症(高コレステロール血症)
 乏尿(尿量が少ない)浮腫、全身倦怠感

● 治療
 急性期入院してステロイド剤で治療
    安静、症状に応じて食事療法
 多くは、ステロイド剤が有効
 ステロイド剤の減量・中止で再発することがある
 再発を繰り返す場合は、免疫抑制剤を使用
 まれに、ステロイド抵抗性(ステロイド剤が無効)

● 予後
 ステロイド剤が有効な場合には、予後良好
 ステロイド抵抗性や再発を繰り返す場合もある
  → ステロイド剤副作用が問題となる
    腎不全になる場合もある。


停留睾丸(精巣)

陰嚢の中に睾丸がない
成熟児よりも低出生体重児に多い
1歳まで大多数自然に陰嚢に降りてくる
陰嚢内にないと(おなかの中にあるとか)、
 将来、精子を作る機能が落ちる(不妊症
 成人になったときにがんが発症する危険性あり

風呂に入ったときなどの温まったときに
 陰嚢内に降りてくる場合を移動性睾丸という
  →小児外科、泌尿器科を受診

● 治療
 専門医への相談は早めに
  できれば生後6ヵ月ころまでに 
 原則的に1歳前後〜2歳までに
  手術で陰嚢内に降ろす


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