タイトル厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成24年度 総括・分担研究報告書

ページタイトル
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成24年度 総括・分担研究報告書

72ページ中、5ページ目の概要を表示しています。

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成24年度 総括・分担研究報告書

当該ページを開く

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

当該ページの概要

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査、早期診断基準確立、治療法開発に関する研究」平成24年度 総括・分担研究報告書

Menkes病患者でノックビン経口投与と銅皮下注射の併用療法に関しても、帝京大学医学部倫理委員会の承認をすでに得ている(帝京医倫08-114)。口頭で詳細に説明し、文書で同意を得たのちに、治療を開始した。遺伝子解析および治療を希望する患者家族には上記倫理委員会承認内容に準じて対応する。また、遺伝カウンセリング有資格者である共同研究者(黒沢健司医師)が必要に応じて遺伝カウンセリングを行った。C.研究結果1.早期診断のための方策在胎週数に対する出生時の体重、身長、頭囲は対象児と差がなかったが、65例のMenkes病患者の26.6%は小奇形を合併しており、これは全国の先天奇形の発症率である1.9%より有意に高かった。主な小奇形は、高口蓋、小頭症、脳または肺のう胞、房室ブロック、眼裂狭小、停留睾丸であった。これら奇形を合併する児では本症を疑う必要があると考えられた。2.遺伝子型―表現型の関連の解明今までの解析も含めて60例のMenkes病患者および2例のoccipital horn症候群患者の遺伝子解析を行った。occipital horn症候群はsplice-site変異とmissense変異であることを明らかにした。Splice-site変異はリアルタイムRT-PCRで残存活性が存在することが確認された。遺伝子解析結果は遺伝カウンセリングを行い、患者家族に報告した。3.新規治療法(ノックビン経口投与とヒスチジン銅皮下注射)の確立①モデルマウスを用いた新規治療の長期的効果および副作用の解明体重増加は併用療法群で対象群に比べて有意に増加していた(平均体重増加:併用療法群20.33±0.34g、対照群18.64±0.49g)。小脳および血清の銅濃度、小脳チトクロームCオキシダーゼ活性は併用療法群で対象群に比べて有意に改善を示した。短期併用療法群の血算、肝機能、腎機能および血液一般生化学検査に異常は認められなかったが、長期併用療法群の一部で肝機能異常が認められた。今後の課題と考えられた。②モデルマウスでの新規治療での銅の脳への取り込みと保時の研究マクラマウスでの64Cuを用いたmicroPETの実験では、ノックビン投与マクラマウスでは、Cuの脳への取り込みが、ノックビンを投与していないコントロールマクラマウスに比べて、有意に多かった。さらにCuが長時間脳に保持された。すなわち、ノックビン併用で、銅の脳への移行・保持が、画像検査においても証明することが出来た。③患者への新規治療の実施治療を開始した患者は全例治療を継続することが出来、脱落例はいなかった。7名のMenkes病患者(3歳~15歳)でヒスチジン銅皮下注射とノックビン経口投与の併用療法の効果と副作用を検討した。6例は男児、1例は女児であった。7例ともヒスチジン銅の皮下注射をすでに行っている患者であった。ヒスチ─3─