平成22年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 「Menkes 病・occipital horn 症候群の実態調査」 研究代表者:児玉浩子(帝京大学医学部小児科)

occipital horn 症候群

病因・病態

責任遺伝子はMenkes病責任遺伝子であるATP7Aである。遺伝子変異はスプライトサイト変異が多く、ATP7A活性がある程度残存している。ATP7Aは正常では細胞からの銅分泌に関与している。腸管でのATP7A活性低下で、腸管での銅吸収が障害され、体内は銅欠乏になる。銅欠乏は銅酵素(チトクロームCオキシダーゼ、リシルオキシダーゼ、ドーパミンβヒドロキシダーゼなど)活性の低下をきたし、様々な症状を呈する。本症患者では残存酵素活性の残存程度により、症状の程度も様々である。本症は銅酵素であるリシルオキシダーゼ活性低下による結合織異常が特徴である。

症状

主症状は筋力低下、小脳失調、皮膚過伸展で、他に膀胱憩室、血管蛇行、骨粗鬆症が見られることが多い。精神発達は正常~軽度低下と症例により異なる。

検査所見:
後頭骨に角様変化が見られるのが特徴である。血液検査では血清セルロプラスミン、銅は正常~低値。培養皮膚線維芽細胞の銅濃度高値
─主症状─
筋力低下、小脳失調、皮膚過伸展

治療法

現在、有効な治療法は報告されていない。

後頭骨の角様変化
 
皮膚過伸展
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