1. 風邪をひきやすい子
(3才3か月)
まわりの子にくらべて風邪ばかりひいているという電話相談は実に多いのです。「まわりにこんなに風邪ひく子はいません」ってお母さんは嘆かれますが、全国的には「風邪をひきやすい子」はかなり多いようですよ。
2. 鼻水が止まらない子
(2才3か月)
大人も花粉症に悩む春先ですが、子供も例外ではないようで、最近では「鼻水が止まらない」という電話相談が目立ちます。しかし、考えてみると、本来子供はよく鼻をたらすものなのかも。子供のことを「鼻たらし小僧」なんていった時代もあったのですよ。
3. まるで食べない子
(3才8か月)
「食べない」は食べ物が豊富になって以来、幼児をもつお母さんの大テ−マとなっています。育児相談ではいちばん多い質問といってもいいほどです。ほとんどの場合、「食べないから追いかけて食べさせる」、だから「子供はますます食べる意欲を失う」、そして、「ひとりで食べられない」となるようです。
「1才半で単語がひとつ以上出る」「2才には二語文が出る」が言葉の尺度とされているので、その尺度にあてはまらないと気になりますね。言葉の発達はその子の素質、環境などによってかなりの個人差が出るものだとわかっていても「どこかに異常があるために喋れないのではないか」とよけいな心配をしてしまいがちですね。
5. 便に血が混じる子
(3ヶ月・4才8か月)
血が混じったわが子のうんち……。見たときはドキッとしますね。
「ガン?それともポリ−プ?」と頭の中は悪い想像でいっぱい。電話相談ではどちらかというと、生まれて間もない子にこの血便の心配が多いようです。しかも、母乳栄養の子に多いのが特徴です。
熱でひきつけることがあると知っていても、いきなりひきつけられると動転しますね。でも、この熱性けいれんは乳幼児12〜15人にひとりは起こすというのですから、そんなに珍しいものではないのです。しかも、この中の半分は一生にいちどしか起こさず、小学校に上がるころまでには起こさなくなるので深刻に考えなくてよいようですよ。
7. 風邪と抗生物質
(6才5か月)
以前は抗生物質が風邪の薬のひとつとして出されることが多かったためか、風邪は抗生物質で治ると考えられる傾向がまだあるようです。また、お母さんの中には「この抗生物質こそうちの子に必ず効く薬」と信じている人もいるようですが、残念ながらこれに医学的根拠はありません。
8. 「おなかが痛い」
(3才3か月)
「どこか痛いの」と聞くと「おなか」。
子供のいうことだからと無視してよいのか、でも、悪い病気だったら手遅れになるし。まず、病院に行くかどうか迷い、それで病院で「様子をみましょう」といわれてまた迷い・・・・・。
いまお母さんが共通して恐れていることは「アトピ−です」と診断されることのようです。ひどい症状に長く苦しむ親子を身近に見ていることや、科学的な裏づけのない「ステロイドを否定する諸説」がちまたにあふれているためでないかと思うのです。
「そるのは脳性まひ」の説はいまや常識にまでなっているようです。
そのために不安の日々を送っているお母さんも少なくないようですが、ほとんどは心配のないものと考えてよいようです。
脳性まひの兆候は「そる」だけではないようですよ。
11. 「咳が止まらない」
(2才3か月)
咳はとくに重い病気のサインである場合もありますが、子どもは元気なのに長く続く咳も少なくありません。先生から様子をみましょうといわれても不安ですね。でも眠れない、食べにくい、思いきり遊べない、などがないなら、様子をみてよいことが多いようですよ。
12. 「おしっこが近い」
(5才1か月)
排泄の自立はとっくにできているのに、頻繁におしっこに行きたがるのは膀胱炎などの病気のこともありますが、精神的な場合が少なくありません。おしっこに行くことで緊張を解きほぐしていると考えられています。原因を見つけて緊張を解いてあげる、楽しく遊んであげることが大切なようです。
13. 「ハードな便秘」
(2才7か月)
毎日うんちが出ない、便が固くて出にくいなどは乳幼児によくみられるもので、特に小食の子、偏食の子にその傾向があります。しかし、親の努力や、日々の投薬にもかかわらず、何日も排便できず、排便のたびに苦しむという相談がときにあり、一度精密検査をしたほうがよいとアドバイスする場合もあります。
首をガクガクさせる、うなずくしぐさをする、いやいやを夢中でやり続けるなど、首を盛んに動かす子どもが多いのでしょうか、電話相談によくある質問のひとつです。ほとんどはある一時期に面白がってする癖なのですが、どうしても不安という場合は、そのしぐさをビデオにとって先生にみてもらうことがいちばんです。
15. 「心配が消えない」
(5才3か月)
とりあってくれない主治医にかかっていて、何回も相談もし、検査も受け、「特に心配な病気とは考えられない」と診断されてもどうしても心配を心から消すことができないという相談は、この電話にもときどき寄せられています。そして「その病気とは考えられない」と電話相談の先生からいわれても「でも不安がとれない」とまた電話相談になる場合もあります。
乳幼児の体重は月齢とともに増えていくものですが、ときに「体重が減りました」という相談があります。多くは、病気に関係があるのですが、本人は元気で心当たりがないというものも、ときにはあります。こんな場合、まず考えられるのは計測の間違い。間違いでもなく、元気なのに体重が減ったというなら、2週間様子をみて再度計測を。
耳の下の、首の部分にリンパ腺の腫れがあり、これがなかなか消えないと、必ずというほど「もしかして、悪いたちのものではないか」という不安に発展するようです。夏から冬にかけて首の後ろ側にいくつも小さいグリグリがあるという悩みは少なくありませんが、いずれも、長くは残るけれど、ほとんど心配はないものです。